機能や形状
材質や地域
本作は、一閑張の技法を用いた漆椀で、日と月の文様が施されている。昭和18年頃の制作であり、戦時中の厳しい状況下においても、日本の伝統工芸を重んじた北大路魯山人の美意識が表れている。一閑張は木地に和紙を張り合わせる事によって通常の漆器よりも金箔をしっかりと定着させることができ、力強い輝きを放つことが可能となる。しかし、魯山人は単なる華美な仕上げを良しとせず、あえて金箔の仕上げを綺麗に整えすぎないように心がけていました。その結果、わずかにムラや表情の変化が生まれ、味わいある景色が生み出すことに成功している。この繊細な美の追求は、魯山人ならではの審美眼によるものであり、技巧に走らず、あえて不完全さを取り入れることで、奥行きのある表情を持たせている。実用性を超えた、芸術性の高い漆器として完成された逸品である。
山中塗の辻石齋と呉藤友乗父子、尾張鳴海の蒔絵師・稲塚芳朗を助手にして制作したと言われる日月椀です。日月椀の「金」は太陽を、「銀」は月を表しています。金沢の箔打ち師に金箔と銀箔を特注して通常より厚みを倍以上にしたと言われています。その上に金銀箔の砂子を蒔きました。一閑張の金銀箔にも微妙な皺が作品に深い味わい与えています。昭和12年に東京日本橋白木屋で開催された『魯山人芸術展』の図録に類品が所載されています。
管理No.130
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