ざっくりとした信楽土の素朴な風合いに、流れるようなビードロ釉が景色を添え、まるで本席にひっそりと佇む姿を思わせる逸品です。手取りや形、釉調のすべてにおいて、魯山人が手がけた茶道具ならではの緊張感と美意識が宿っており、茶人のみならず多くの鑑賞者を魅了してやみません。食の神様とまで称された魯山人が生み出す茶道具は、道具としての実用性にとどまらず、茶の湯の空間全体に格を与える“場の器”として、唯一無二の存在感を放っています。共箱には作と花押を認め、作品の格を裏付けています。茶席に、また鑑賞用としても極めて高い価値を持つ名品です。
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