機能や形状
材質や地域
この作品は魯山人が昭和初期に製作したものである。明末期(17世紀初頭)に中国の景徳鎮で日本の茶人や大名などの注文品として製作された「古染付」にある「貝型向付」を写した作品であるが、それは単なる再現としての写しではなく「料理のための器」として再解釈し独自性で製作した。もともと「貝」は縁起が良いものとされおり、このような巻貝などの場合は、螺旋の形状から「成長や無限」を意味するモチーフとされています。また器に描かれた海老には、古来より「腰が曲がり、ひげが長い姿」から、「長寿や健康の象徴」とされていたり、「目が出る(出世)」などの連想もされる大変縁起の良いモチーフとされています。これら貝と海老のモチーフを合わせ持つこの作品は、非常に縁起の良い器といえます。作品裏に「ロ」の鉄絵サイン。
魯山人先生は古染付の蒐集に特別な関心を寄せていました。その成果は便利堂から上梓した『古染付百品集』の上下巻の他に、昭和9年に東京上野松坂屋で売立てのために作られた『北大路魯山人蒐蔵古陶磁図録』でも見ることが出来ます。本歌をそばに置き思索を重ね、考え作られた本歌取りは、ただの写しを超えて、あらゆる場面でより使いやすく、魯山人先生のオリジナルの作品として存在しています。本作も唄貝と思われる貝の形を象ったもので、器面の中に海中の海老や水藻や栄螺などが描かれています。焼成温度が高かったのか染付は滲みあたかも「絞り手」のような清涼感のある作品です。1996年に世田谷美術館で開催された『魯山人とゆかりの名陶展』に出品されています。また『図鑑 北大路魯山人の食器』に掲載されている作品です。
管理No.259
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