魯山人が多く手がけた竹形花入の中でも、織部釉によって仕上げられたきわめて希 少な一作である。竹形花入において織部釉の作品は全体のわずか数パーセントにとどまり、その中でも本作は、三種のサイズ展開のうち最も大きな“大”サイズにあたる堂々たる佇まいを誇る。 床の間に据えることで空間に深みを与える一方で、日常の中でも自然に花を受け止める柔軟さを併せ持つ。 実用される機会が多いため、花入には使用に伴う疵が見られることが少なくないが、本作は 無傷完品の状態で現存していることも特筆すべき点である。 実用と鑑賞、両面において優れた魯山人の花入の中でも、特に希少性と完成度の高い一品といえる。
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