鉄分を多く含む鬼板を器面に大胆に施し、その上から魯山人が得意としたススキの文様を力強く掻き落とし、さらに全体を柔らかな志野釉で包み込み焼き上げている。鬼板の濃密な地に削り出されたススキ文様の線は、鋭さと繊細さを兼ね備え、秋の野に風が渡るような情趣を醸し出している。釉薬が溶け流れ、掻き落とされた線が霞むことで、まるで靄の中に揺れるススキのような幻想的な趣が生まれている点も見逃せない。魯山人の美意識が自在に息づく作品である。w 28.0 × d 28.2× h5.4cm 釘彫サイン「ロ」 1950年代
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