機能や形状
材質や地域
本作は備前土で成形された平鉢に、銀彩と三彩を施した魯山人の作である。備前で焼かれたこの器体には、ぼた餅と呼ばれる備前特有の景色があらわれている。ぼた餅とは、備前焼の景色の一つで、皿や鉢などの平らな器に牡丹餅のような丸い痕が生じたものをいう。本作ではそのぼた餅の部分を魚の顔の一部として取り込むように描かれており、ぼた餅による明るい土味と周囲の深みある色調との差異を生かし、魚の表情に変化を与えるとともに、平面的に陥らず立体感のある表現を生み出している点も興味深い。見込に描かれた魚は、即興的な筆の運びによって簡潔に表され、どこか愛らしい姿となっている。魚の姿は三彩の黄釉によって見事に表現されており、備前土の上の銀彩に鮮やかな彩りを添えている。また、魚は古くから吉祥の意をもつ意匠として知られ、双魚紋などにも見られるように豊穣や繁栄を象徴する図柄でもある。本作の魚図にも、そうした吉祥的な意味合いとともに、どこか豊かな気配を感じさせる魯山人の洒脱な趣向がうかがえる。備前の土味の上に彩られた静かな輝きある銀彩、ぼた餅の景色を利用した魚図と三彩の彩りが響き合い、魯山人の自由で洒脱な感覚がよく表れた逸品である。W27.2×H4.7㎝ 高台に釘彫サイン「ロ」 1950年代
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