魯山人先生は多種多様の湯呑を作っていますが本作品は湯呑の王様とも言われています。牡丹は花の姿から「富貴花」「花王」と富貴と栄誉の象徴として古来から愛されているのにも起因しているようです。濃厚な赤呉須で花を力強く描き、葉を緑釉と黒で配しています。十客それぞれに雰囲気を変えているところに魯山人先生の美意識を感じます。裏面には「牡丹一日紅 満城公子酔」と赤絵で書されています。「松柏千年青 不入時人意 牡丹一日紅 満城公子酔」 (いつもでも青い松は 人の心を打たたない 一日の短い牡丹の花は 多くの貴族を喜ばす)中国南宋時代の詩が出典です。箱書に「筒」とあるのはぜひ筒向付としても使って欲しいとのご意向もございます。昭和30年頃の作品です。
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