機能や形状
材質や地域
扇面のフォルムに千鳥と芦を配した情趣豊かな織部鉢瑞々しい織部釉の発色は抜群で、器肌に自然な濃淡をもたらしながら、絵付けと美しく調和している。さらに、鉢の側面には織部特有の幾何学文様が施され、造形と装飾のバランスが絶妙。鳥や芦といった自然のモチーフに、人為的な幾何が加わることで、静と動の世界がひとつの器に共存している。 魯山人が織部に取り組んだ背景には、桃山陶の自由闊達な精神への敬意と、それを現代に蘇らせる美意識があった。本作は、まさにその思想と技術が高次元で融合した一品であり、 「織部焼で人間国宝の認定を受けた」と評されるほどの完成度を備えている。なかでもこの扇面鉢は、料理屋や料亭が「魯山人作品といえば」としてひとつは持ちたいと 願う代表的な意匠。器そのものが料理の格を引き上げるような、存在感と機能美を兼ね備えた逸品である。(山口陶器店)
魯山人先生は星岡茶寮と訣別した昭和11年以降は鎌倉山崎郷にて専ら作陶に専念しました。特にわかもとの長尾欽弥夫婦の庇護を享け、記念品を大量に受注しました。この扇面鉢はその頃の作品で、三本の芦に、千鳥が二羽飛んでいる風景を描いています。上下に掛けられた織部釉は深い緑色を呈して、白抜きの画面との鮮やかな対比がきれいです。側面には二重線、太筋の線文が交互に配されています。底部の上下以外は土見せとなっており、三つの弓足で支えています。織部釉の玉垂れが五箇所にあり、「魯絵」の鉄絵銘があります。(しぶや黒田陶苑)
管理No.84
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