浅くひろがる端反りの盃形に、外面には深く艶やかな赤絵具が施され、内面は対照的に無地白に仕上げられている。赤と白の明快な色彩の対比が、視覚的にも軽やかな緊張感を生み出している。器形は一見簡潔でありながら、わずかに腰を張らせ、口縁に微妙な揺らぎをもたせることで、魯山人特有の造形美がさりげなく表現されている。また注目すべきは、山越弘悦によって調整された深みのある鮮やかな赤絵具である。その赤絵具は「古赤絵をも凌ぐ」とも称され、滲みと艶の間にある奥深い色合いの表情を出している。w 6.2 × h 2.7cm 印サイン「魯」 1920年代
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