機能や形状
材質や地域
本作は、昭和23年に三越美術部で開催された「魯山人独創 第一回電気スタンド展」の出品作を想起させるもので、器物を単なる道具とせず、生活空間における美の象徴として再構築した、魯山人ならではの革新性が結晶した作品である。洋風の照明具にあって、和磁器の素材美と手仕事の品格を融合させた本作は、辰砂による柔らかな紅色と染付の青の縞文様を白磁に配した造形が特徴的で、垂直にのびる文様が壺形の丸みにリズムと動きを与えている。構造面においても意匠への徹底した配慮が見られ、口元ソケットおよび台座には、丈夫な木材を主に用い、機能部分を意匠的にカモフラージュし、革新的精神を象徴している。展覧会の趣意書において魯山人は、日本の真の陶磁器の価値が海外で十分に理解されていないことへの憂慮を述べ、電気スタンドという洋風生活具への応用を通じて「ほんものの」陶磁器を海外にも紹介しようとした志を語っている。そうしたことから、様々なタイプの壺・花瓶を西洋風のランプベースとして再構築し、既成の枠にとらわれぬ自由さと、美的実用性へと深く探究した。魯山人が日常生活の中に芸術が息づくことを願い作り上げた、時代を超える提案作品である。サイン無し
魯山人先生の作陶の領域は広く多彩で、このような電気スタンドまで作っていました。単なる進駐軍相手のお土産に作ったものではないという記述が残っていますが、こうした作品を通して世界のコレクターを見据えていたのではないかと考えております。晩年にロックフェラーの招聘でニューヨークでの展示会に繋がった背景には、こうしたスタンドの存在が少なからずあったようです。この作品は小さな壺の形で、上部を染付で下部は辰砂の線文を配しています。スタンドはこのように遊び心を感じさせる西洋的な色使いで表現していました。
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