機能や形状
材質や地域
備前焼に銀彩を施し、発色の良い三彩(青・緑・黄)をアクセントに置く。見込みには魯山人が好んだ意匠「渡り蟹」が釘彫で描かれる。焼き上がりが悪かった作品を、誰も考え付かなかった技法で生まれ変わらせた。食材を無駄にしなかった魯山人の、陶器における見事な応用である。
昭和29年にロックフェラー財団の招聘により魯山人先生はニューヨークの近代美術館にて展示会をしました。世界13か国を歴訪し、ピカソやシャガールなどと交流を深めて帰国してからは、銀彩作品が多く見られます。この作品は備前地に銀彩を施してから、青釉・黄釉・緑釉で水玉を、今にも動き出しそうな蟹を刻絵で描いています。筆で描いたと言うより、筆を置くことでこのような優しい水玉になります。丸平鉢形で口縁が拡がっています。底部は露胎に直接銀彩で丁寧に籠目を描いている珍しい意匠となっています。所々に緑釉の水玉が配され、「ロ」の刻銘があります。小さいながらも銀彩の名作と言える作品です。
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