白く澄明な肌にさらりと施された染付が見るも涼しげで清々しい器である。魯山人は同意匠の古染付厚手のものを所持していた。魯山人は古染付のものを指して、誰もが日本からの注文に違いないと思うほどに純日本好みといい、葉の形こそ写実に近いが、葉脈は理屈に合わず、だがこの理屈を離れ、間違いがあってこそ芸術の面白い世界が開かれるとしている。本歌を理解しているからゆえに、薄手に作っているところに魯山人のこだわりと美意識がうかがえる。魯山人作品の中でよく知られているものだが、実際に目にする機会は思いのほか少ない作品である。
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