308.画賛 春草在籠 (共箱)

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  • 【掛軸】

材質や地域

  • 【絵】

308.画賛 春草在籠 (共箱)


本作は、籠に活けられた山野草「姫しゃが」を描いた画賛作品である。簡潔な筆致によって表された籠と草花は、写実に寄ることなく、のびやかな線と余白によって軽やかな空気感を生み出している。籠は素朴な線で構成され、そこにすっと立ち上がる葉と、可憐に咲く姫しゃがの花が配される。葉には淡い彩色が施され、墨の濃淡とあいまって、簡潔ながらも奥行きのある表現となっている。画面右下には「春来艸自生」との賛が添えられる。これは「春来たりて草自ずから生ず」と読み、春の訪れとともに草花が自然に芽吹くさまを詠んだ言葉である。人為を超えた自然の理に従い、静かに生命が立ち現れる情景を示すものであり、本図の主題と響き合っている。姫しゃがは、山野にひっそりと咲く小ぶりな花で、控えめで清楚な趣をもつ植物として知られる。その姿は、華やかさよりも自然の中に息づく繊細な美を象徴するものであり、魯山人が好んだ山野草の感覚にも通じる。さらに本作の軸先には、魯山人自作による志野の軸先が用いられている点も特筆される。書画のみならず、軸先にまで自らの美意識を及ぼした例であり、このような取り合わせはきわめて稀少である。簡素な構成の中に、自然の息吹と静かな詩情をたたえた一作であり、書画一体の表現を得意とした魯山人の資質がよくあらわれている。額:w61.0×h145.0cm(画:W47.0×H42.0㎝) 右下に賛「春来艸自生 魯山人」 朱角印・随禄艸堂 軸先も魯山人作・志野 鉄絵でサイン「ロ」 1930年代

作者北大路魯山人
価格(税別)非売品

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