540.織部帯止(陶々庵箱)

機能や形状

  • 【帯止】

材質や地域

  • 【織部】

540.織部帯止(陶々庵箱)

本作は、魯山人が手掛けた極めて珍しい織部の帯留です。器を中心に多彩な制作を展開した魯山人ですが、このような装身具は今日まで残っているものが少なく、その幅広い仕事を伝える希少な作品です。選りすぐられた魯山人作品が展示された1988年の京都国立近代美術館・神奈川県立美術館での「北大路魯山人展」にも、「装身具(帯留)」として出品されており、魯山人の多岐にわたる仕事を示す貴重な作品の一つとして紹介されています。魯山人の美意識は、陶磁器や書画だけにとどまるものではありませんでした。星岡茶寮では、料理や器はもとより、室内の設えや給仕人の教育にまで自らの考えを行き届かせ、茶寮で働く女性のために着物をデザインした作例も残されています。料理、器、空間、そしてそこにいる人の装いまでを一つのものとして捉え、日々の暮らしの隅々にまで美を求めたところに、魯山人の美意識の広がりがうかがえます。本作のような小さな帯留も、そうした魯山人の仕事の一端を伝えるものといえるでしょう。さらに本作は、魯山人が最も得意とした織部によって作られている点にも大きな魅力があります。わずか4センチ余りの小さな作品でありながら、深みのある織部の緑と、釉の厚みや流れによって生まれる濃淡が、小さな器面に豊かな景色をつくり出しています。簡潔な横長の造形と変化に富んだ釉調には、いかにも魯山人の織部らしい色と形が凝縮されています。さらに高台には「魯山人」の銘が明瞭に記されており、わずか4センチ余りの小品でありながら、一つの作品として丁寧に仕上げられていることがうかがえます。単に珍しい帯留というだけではなく、装いにまで及んだ魯山人の美意識と、彼が得意とした織部の色彩、釉調、造形感覚とが、わずかな寸法の中に凝縮された極めて希少な織部作品の逸品です。 高台に鉄絵サイン「魯山人」 (銀座黒田陶苑)

作者北大路魯山人
箱陶々庵箱
年代1930年代
サイズw4.3 × d1.4 × h1.2cm
価格(税別)900,000円

管理No.27

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