541.絵瀬戸檜垣文台付大鉢(陶々庵箱)

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541.絵瀬戸檜垣文台付大鉢(陶々庵箱)

本作は、魯山人が収集した古陶磁から型を取り制作した壺形をもとに、思い切った造形上の転換を加えて生み出した、最晩年の異色作です。その壺の上半分を真横に切り取り、上下を反転させ、さらに本来の口を塞ぐという大胆な方法によって、一つの大鉢へと作り替えています。そのため一見すると高台を備えた堂々とした鉢でありながら、よく見ると通常の鉢とは異なる独特の造形をしています。本来は壺の肩であった部分が鉢の胴を形づくり、切断された面が大きく開いた口縁となることで、豊かに張り出した器体から台部へと絞り込まれる、安定感のある姿が生まれています。古陶磁の壺形をそのまま写すのではなく、その形を一度解体し、上下を反転させることで全く別の器へと転換してしまうところに、魯山人の自由な発想と優れた造形感覚がよく表れています。器面には、書家・魯山人らしい大胆な筆致による檜垣文が大きく巡らされています。太く力強い線を自在に走らせ、濃淡やかすれを交えながら描かれた檜垣文は、単なる装飾文様というより、一筆一筆の動きそのものを見せる書のような趣があります。豊かに張り出した器体を大きな画面として捉え、そこへ伸びやかに筆を走らせることで、力強い造形にさらに躍動感を与えています。また、この独特な形は用途を一つに限定しません。鉢として料理を盛ることはもちろん、花を生ければ花生としても成立し、使い手の発想によってさまざまな場面を演出することのできる造形です。器の用途を固定的に考えるのではなく、形そのものの魅力を生かしながら、使う人に新たな取り合わせや演出を促すところにも、魯山人の器に対する自由な感覚が感じられます。収集した古陶磁の形を出発点としながら、それを切り、反転させ、口を塞ぐという大胆な発想によって全く新しい器へと転換し、さらに書家・魯山人ならではの伸びやかな檜垣文を重ねた本作。古陶への深い眼差しと自由な造形感覚、そして用途にとらわれない発想が一体となった、魯山人最晩年の異色にして興味深い作品です。高台外側に釘彫サイン「ロ」(銀座黒田陶苑)

作者北大路魯山人
箱陶々庵箱
年代1950年代
サイズw26.0 × h15.7cm
価格(税別)4,200,000円

管理No.136

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