キリッと上を向いた注ぎ口。蓋は棒状に手捏ねされた粘土をS字にした少し高さのあるつまみを付けるため、中央向かってやや窪むように作られている。たっぷりとした胴には軽やかに風景画が描かれている。満月は山の上、だいぶ空高くまで昇り、最下部には打ち寄せる波、遠景には大きくなだらかな山が手早く描かれている。おおきく膨らんだ土瓶の胴部のおおらかさは、風景画の長閑な雰囲気とあいまってどこか心を落ち着かせる。注ぎ口付け根下に染付による「呂」のサインが入る。山水に家屋を描いた珍しい染付の土瓶です。この形で様々な土瓶を作っています。摘みに凝り見所の一つとなっています。昭和20年後半から30年頃の作品です。
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